やがて金木を過ぎ、芦野公園という踏切番の小屋くらいの小さい駅に着いて、金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、そんな駅は無いと言われ憤然として、 津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言い、駅員に三十分も調べさせ、とうとう芦野公園の切符をせしめたという昔の逸事を思い出し、窓から首を出してその小さい駅を見ると、いましも久留米絣の着物に同じ布地のモンペをはいた若い娘さんが、大きい風呂敷包みを二つ両手 にさげて切符を口に咥えたまま改札口に走って来て、眼を軽くつぶって改札の美少年の駅員に顔をそっと差し出し、美少年も心得て、その真白い歯列の間にはさまれてある赤い切符に、まるで熟練の歯科医が前歯を抜くような手つきで、器用にぱちんと鋏を入れた。

小説/「津軽」 作家/太宰治

芦野公園駅は、昭和5年10月4日に開通した。その後、新しい駅舎が建てられ旧駅舎となる。
地元の方が、旧駅舎を喫茶店「ラ・メロス」として平成18年まで営業していた。
当時のメニューには、ジャンボオムレツなどがあり、ちょっとした洋食屋といった感じである。
津軽鉄道の協力のもと、NPO法人かなぎ元気倶楽部が駅舎を修復・改装し、
平成19年6月28日「駅舎」が復活した。店内には、当時の面影が沢山残っている。

裸電球 当時使われていた電話 プラットホームに続く階段
当時としては珍しい女駅長
「津軽鉄道応援写真集 Take it Slow」より
 スタッフより

芦野公園内にある「駅舎」で、「昭和の珈琲」・「金山焼自家焙煎コーヒー」をメインにその他の御飲み物・軽食をご用意しております。
古き良き昭和の雰囲気を味わいに、お気軽にお立ち寄り下さい。

場所:芦野公園駅隣
営業時間:10:30〜16:30
定休日:毎週水曜日
電話:0173-52-3398

メニュー
昭和の珈琲 500円
金山焼焙煎コーヒー 300円
その他ジュース類 120円から

金木町をプロデュースする NPO法人かなぎ元気倶楽部
〒037-0202  
青森県五所川原市金木町朝日山189-3
TEL 0173-54-1616/FAX 0173-54-1023/mail:info@kanagi-gc.net